決断できないのはどっち!?


小池知事は本当に「決められない知事」か?

 菅官房長官は4日、都議選の自民党公認立候補予定者の決起大会に出席して、小池百合子知事のことを「決められない知事だ」などと批判した。

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                 2017年6月2日 ABCテレビ より
  また下村博文都連会長も同じことを述べ、さらに小池知事の「離党届」を受けて「『都民ファーストの会』とは完全に選挙で争う敵」と言い切った。

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                 2017年6月2日 ABCテレビ より

  小池知事は、昨年の東京都知事選に出馬した際に自民党に進退伺を提出している。


 自民党では当時の小池知事の支持率の高さを考慮して進退伺の決定を保留していた。

 そして今年5月末、小池知事の支持に多少かげりが見られたと思われる報道が流れはじめたとたんに、豊洲市場移転問題も絡めて上記のような小池知事に対する批判が自民党から出てきた。

 自民党幹部の小賢しさも相変わらずだな、と思ったものである。
 
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              2017年6月6日 MBSテレビ 「ひるおび」より 

  ところが直近の調査で「都議選でどの政党の人に票を入れるか」という質問では、自民党27%、都民ファーストの会27%と自民に並んでいるのである。

 
小池百合子という政治家

 都民でもなく、どこの政党にも政治的な団体にも一切係わり合いのない私が、小池東京知事を応援するのは、彼女の政治的手腕に人並みでない能力を感じるからである。

 たとえばこういうことを考えればいい。

 小池知事と稲田朋美防衛大臣丸川珠代・オリンピック・パラリンピック担当大臣の三者を討論させてみよう。

 その結果は容易に想像できるだろう。
 相手が男性であろうと一向に構わない、ひけはとらないだろう。

 過日の都議会では百戦錬磨の自民党議員の口撃を受けても平然として受け応えをしていた小池知事。その小池知事と肩を並べることができる政治家はそう多くはいないだろうと思う。

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 東京都知事に今必要なのは、政界のドンとか、その地の有力者だとか、大企業とのコネとか、そういうことと無関係の、しがらみのない能力ある政治家ではなかろうか。
 
 確かに、小池百合子氏は一時「政界の渡り鳥」と揶揄されたこともある。
 時の権力者ににじり寄るという、いささか眉をひそめたくなるような行動も過去に見られた。
 
 その小池氏が東京都知事選に出馬するときに「崖から飛び降りる覚悟」という言葉はウソではなかった。

 国会議員を辞め、自民党を除名されてもかまわないという偽りのない気持ちで都知事戦に臨んだのである。

 そのことも有権者の共感を得たのだと思う。
 
もし豊洲市場へ移転していたら

 豊洲市場に計画通りの盛り土がされていなかったことを公表し、一時的かどうかまだわからぬが、小池知事が豊洲市場への移転に待ったをかけたことは後の人たちが評価するだろう。
 
 先の都知事選で今までと同じように自民党都議連の息がかかった知事が誕生していたら、予定通り昨年11月には豊洲市場への移転が始まり、市場は活況を呈していたかもしれない。
 
 しかしその場合も定期的に実施されるであろう豊洲市場の地下水検査で基準を大幅に超える汚染物質がいずれ検出されるか、あるいは豊洲市場を介して店頭に並んだ生鮮品を長期間摂取したことで、もし健康被害でも起きたら悪夢である。

 目先のことにとらわれて、起きる可能性の高い危険から目をそらすのは政治家のやり方ではない。

 専門家らは、豊洲市場は科学的には安全だと言うが、ならば当初学術専門家によって提案された盛り土がなぜされなかったのか。

 人体に及ぼす危険を未然に防ぐこと、これは何事にもまして優先されるべきことであろうと私は思う。
 
 そのために一日どれほどの金額的被害が生じようとも、それは譲ることのできないものである。

 もし、豊洲市場に移転しないことによって発生する損害を気にするのなら、その損失は東京ガスと理不尽な交渉過程で豊洲市場を決めた先の都知事ら関係者に請求したらいい。

 この豊洲市場にカジノを招いたらいいという案もあった。

 東京都庁が引っ越して、現都庁は大企業に貸し出したらいいという案もあった。

 そして今、築地市場を再整備する間、一時的に豊洲市場に引っ越したらいいという案も浮上している。

 いっそのこと、東京五輪の選手の宿舎にしたらどうか。

小池知事は自民党を見限ったのか!?

 小池氏が都知事選に出馬したときに「離党届」ではなく「進退伺」を出したのは、自民党内部から自民都議連に新しい風を取り入れたいと思ったのかもしれない。
 
 もし小池知事が誕生しなかったら、その時点で自民党は小池氏を除名していただろう。

 ところがぶっちぎりというべき高得票の小池知事の誕生に自民党は小池氏の処分を躊躇し、むしろその人気に便乗したいと考え、「進退伺」の結論を出すことに自民党はためらった。いや、むしろ小池人気にビビッていた。
 
 その小池知事の「進退伺」について今まで放置していたのは誰であろう、利にさとい自民党である。
 
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2017年6月2日 ABCテレビ より
  今回小池知事は「離党届」を出してはっきりと自民党に決別宣言をした。

 自民党および自民都議連に自浄作用はないと感じて自民党を見限ったのかもしれない。

 
 本来の自民党とは大きく変質していくことを誰も止めずにいたら、今後も優秀な政治家が自民党から離れていくだろう。

 自民党は、なかなか決着しない豊洲市場移転問題を絡めて小池知事を「決断できない知事」と他人事のように言っているが、一方で、小池知事の離党届は未だに党預かりのままである。

 自民党は都議選の結果を見て、受諾か除名か、もしくはそのほかのことを考えているのだろう。

 今、ボールは自民党にある。

 「決断できない」のは誰であるかは明白である。