東京都議会の「あぶりだし」
小池知事は延期の理由として「安全性」「費用」「情報の公開不足」をあげた。
豊洲新市場への移転延期では賛否両論が沸き起こっているが、そもそもこの築地
市場移転の目的は何だったのか。
まさか利権を生み出す手段ではなかっただろうね。
「2020年の東京五輪のために」というのは後から付け加えられた理由であろう。
何様も五輪という錦の御旗には勝てないものだから。
何様も五輪という錦の御旗には勝てないものだから。
建物も出来上がり、最終の設備の取り付けという今の段階になって、なぜいろいろな問題が起きているのか。
おそらくそれは小池知事の誕生によって、都議会を無言の力で押さえつけていた重石(おもし)が取れたからではないだろうか。
築地市場に関係する業者たちは、今まで言えなかったことが少しは言えるようになった、その結果であろう。
インフラやファッションや食べ物やビルなど、すべてにおいて世界でもトップクラスと自負する東京都が、こと都政ではアジア諸国の首都の後塵を拝するような仕組みで動いてきたとは・・・。
その決定にあたっては、現場で働くいろいろな意見を反映した種々の細かい検討が必要だったのを、おそらく誰かの一声で有無を言わさず、ごり押ししたのであろう。
都は除染対策を進めてきたが、そういうところに豊洲新市場は建設された。
都民の台所である豊洲新市場は有害物質で汚染された土壌に浮かぶことになるのである。
ところが豊洲新市場の床に海水は使えないという。
都の担当者に聞けば床が痛むからだという。
真水を使えばハエやボウフラにとっては天国、カビなどは適度な湿気で元気に育つことだろう。
もうひとつ、複数階の豊洲新市場は2階部分から上に市場が入るという。その床の積載加重限度は700kg。
ところが魚などを運ぶターレットトラックの全重量は700kgをゆうに超えて2トンにもなるという。
近代的な(?)豊洲新市場でもし床が抜けでもしたら、それこそ東京都の恥である。
こんなことは新市場を建てる前からわかっていた事である。
もし「都議会を解散する」と言った都知事が誕生していなかったら、もし都議会に迎合するような人が都知事になっていたら、こういう問題はそれらが原因で大きな事故や事件が起きないかぎり、今日のようにメディアなどに大々的に取り上げられることはなかっただろうと思うのである。
一度、今までの流れを逆に変えてみる。
すると底に沈んだ過去の悪癖が「あぶりだし」のように浮かび上がってくるのである。