今や省庁は官邸の意のまま!?

 中国の全国人民代表大会では、数多くのお膳立てされた記者会見が開かれるが、ここで先日、中国政府に対する「超ご機嫌取り」の質問をした女性(赤い服の女性)の近くで、それを聞いていた青い服の女性が顔をしかめている動画が公開された。

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(いずれも2018年3月20日 ABCテレビ「羽鳥モーニングショー」より)

 あまりにも露骨なご機嫌取りの発言に青い服の女性は顔をしかめたり、発言している赤い服の女性の顔を見つめたり、挙句の果てには白目を剝いたりしている。

 日本の国会でも19日の参院予算委員会集中審議で、安倍政権を擁護するような「おべっか質問」を財務省の官僚に行なった自民党の議員がいた。

 決裁文書改ざん問題の責任を財務省だけに押しつけようとするそれを見て、私も青い服の女性のように顔をしかめたり白目を剝いたりした。

 あまりにも演技がかった質問で、見ていて白けてしまった。
 
 自民党議員も堕ちるところまで落ちたものだ。

 しかし、問題は自民党だけではない。

 野党も「忖度」ということだけに執着しないでほしい。

 問題となるのは「忖度」ということだけではない。

 「国会に改ざんされた公文書が提出された」ということに今現在、何の対策も講じられていないということだ。

 もし現状のままであれば、今後国会に提出される資料の真贋をいちいち確かめる必要があるだろう。

 改ざんへの関与を疑われている人物、つまり安倍首相が改ざん防止の対策を講じるとは、それは笑えないブラックジョークになるだけだろう。

 公文書という重要なものが、政権に都合の良いようにいとも簡単に改ざんされるようになってきたのはなぜか。

 その主たる原因は何か、それを究明するのが最優先であろう。

 省庁における文書改ざんにとどまらず、このごろは文書隠蔽なども非常に多い。

 その遠因は、おそらく2014年5月に安倍政権下で発足した「内閣人事局」が影響しているだろう。

 このことによって、役人は官邸の顔色を伺いながら仕事をするようになったのでないか。

 前川喜平文科省事務次官は加計問題が浮上した時、「行政がまげられている」と発言したが、これは文科省にとどまらず、他の省庁でも公文書などが政権に都合の良いように書き換えや隠ぺいがおこなわれていることを示唆したのではないだろうか。

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(2018年3月20日 ABCテレビ「羽鳥モーニングショー」より)

 19日の参院予算委員会で、自民党議員が財務省に対して「安倍政権をおとしめるために意図的に変な答弁をしているのか」と質問したことに対し、太田理財局長が何度も首を振りながら猛然と反論している様子を目にしたとき、官邸に人事権を奪われてロボットのように動かざるを得ない財務省を見た気がした。

 人事権を振りかざして官邸のままになる省庁。それを良いことに政権に都合の良い統計やデータが国会に提出される。

 安倍政権の下、官邸の巧妙に仕組まれた「アメと鞭」によって今回の決裁文書の改ざんが行われたのである。