サマータイムを導入するのはNo!

 先月27日に安倍首相は、東京五輪の暑さ対策のためにサマータイム導入を検討するよう自民党に指示したが、すでにサマータイムを導入している欧州では見直しが始まっているのを安倍首相や東京五輪パラリンピック組織委員会の森会長らは知らないのだろうか。

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本当に国民の関心が高いのか?
(2018年8月17日 MBSテレビ「ひるおび」より)

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ドイツやフランスなどではサマータイムの廃止や導入反対の声
(2018年8月17日 MBSテレビ「ひるおび」より)

 サマータイムを実施しているドイツ、フランス、ラトビアなどでは世論調査で54~76%がサマータイムに反対あるいは廃止と答えている。

 そして欧州委員会では現行のサマータイムを継続すべきか、EU全体の世論調査を行うという。

  きっかけとなったのは、今年1月にフィンランドにおいて、「時間の切り替えが睡眠や心身の健康に悪影響を与えた」ことなどの理由により「サマータイム廃止」に関する7万人もの署名をEUに提出したことにある。

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サマータイム導入は心身に様々な影響を及ぼす
(2018年8月17日 MBSテレビ「ひるおび」より)

 フィンランドの研究チームによると、サマータイム導入により脳卒中の発症率は8%増加し、65歳以上に限るとそれは20%にも増えたという。

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サマータイムによる睡眠不足で心筋梗塞
(2018年8月17日 MBSテレビ「ひるおび」より部分)

 またスェーデンでも、サマータイム開始月(3月下旬)から1週間平均で心筋梗塞の発症率が5%増えたという。
 この主要原因として睡眠不足を挙げている。

 識者によれば、サマータイム導入によって以下のようなリスクが考えられるらしい。

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サマータイム導入は大切な体内時計を狂わす
(2018年8月17日 MBSテレビ「ひるおび」より部分)

 サマータイム導入について、ITジャーナリストは次のような注意点を挙げている。

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(2018年8月17日 MBSテレビ「ひるおび」より部分)

 サマータイム導入によって消費行動が増えるなどと経済的な効果ばかりに目が行くが、それらは導入コストにほとんど触れていない。

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もし導入されるとIT業界はててんやわんやで対応に不安が・・
(2018年8月17日 MBSテレビ「ひるおび」より)

 それどころか目に見えないコスト、つまり人間の心身に及ぼす影響がどんなに大きいか、上記のフィンランドやスェーデンなどの報告を見てもわかる。

 3人の識者はこう語る。

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3人の識者は今回のサマータイム導入をこうみる
(2018年8月17日 MBSテレビ「ひるおび」より部分)

 今回のサマータイム導入の主たる理由が「東京五輪の暑さ対策のため」という貧相な発想にも笑ってしまう。

 さらに具体的な導入コストの提示もなく、経済効果だけを期待する、という甘い考えに至ってはなおさらである。
 
 すでに何年もサマータイムを実施しているEUの世論調査や現行のサマータイムを継続するかどうかと揺れ動くEU諸国の変化を、そんなの関係ない!と一刀両断するほど我が国の関係者は愚かではないと思うが、果たして・・・。