安倍政権にはない「正直、公正」
自民党総裁選の日程が「9月7日告示、同20日投開票」に決まった。
その総裁選に出馬した石破茂・元防衛相が21日朝の民放のテレビ番組に生出演し、現在の心境などを語った。
テレビに生出演した石破茂・元防衛相
(2018年8月21日 ABCテレビ「羽鳥モーニングショー」より)
石破氏が10日に出馬会見を行ったとき、その背後のボードのいたるところに「正直、公正」という文字が目についたことは鮮明に覚えている。
「正直、公正」という、ボードに書かれたあまりにも当然なこの言葉の羅列に一瞬あっけにとられたものである。
(2018年8月21日 ABCテレビ「羽鳥モーニングショー」より)
しかしよく考えてみると、近頃これでもかと次から次へと起きている各界の不祥事をみれば、日本人にとって当然・当たり前というべき「正直、公正」というものがいつの頃からか、日本人の心からすっかり失われてしまった、という気がする。
政治家にとって「正直、公正」は普遍的な要素
(2018年8月21日 ABCテレビ「羽鳥モーニングショー」より)
そのことを基軸にして自民党総裁選に出馬することになった石破氏の意気込みは十分に伝わってくる。
石破氏が10日に出馬会見をしたとき、安倍首相が今まで会見したときと明らかに違ったことをしたのを知っているだろうか。
それはフリーの記者にも会見をオープンにし、質問も認めたことだ。
今までの自民党関係者の記者会見ではフリーの記者は排除したし、もし入れても質問はできなかった。
石破氏の出馬会見でフリーの記者にも質問を認めたのは異例なことだったのである。
20日付のある「よいしょ」新聞を見ると、山梨県にある笹川陽平日本財団会長の別荘に15日、安倍首相や、森喜朗、小泉純一郎両元首相らが訪問した際の会食で、下記のような石破氏を揶揄するような話題で盛り上がった、ということが載っていた。
過去の事を持ち出して、仲間内で揶揄しあう狭量さ
(2018年8月21日 ABCテレビ「羽鳥モーニングショー」より)
石破氏が提案している公開討論会に対しても安倍首相は消極的で、裏ではこのような小細工をする安倍首相の行動には「正直、公正」とは程遠いものがある。
だからこそ、石破氏が挙げた「正直、公正」の言葉があらためて新鮮に感じられるのである。
自民党内で孤軍奮闘する姿はいつかは受け入れられる
(2018年8月21日 ABCテレビ「羽鳥モーニングショー」より)
このままでは石破氏は永田町から追放されるかもしれない、というどこかの国が政府に楯突く者を寒村に放逐するようなことに等しい噂を流して、反勢力を黙らせる安倍首相の「正直、公正」を欠いた手法にはもう黙っていられない。