外部からの声が高まるのを待っているのではないか? IOC
IOCのバッハ会長は18日、東京五輪の開催について「まだ4ケ月もあり、東京オリンピックを開催するという立場に変わりはない」と語り、また安倍首相も19日に「規模を縮小しない。延期や中止について私は一切言及していない」と日本で予定通り開催すると、どちらもこの夏の開催に前向きな姿勢を示している(ように見える)。
アスリートたちはすぐでも体の調整をしなければならないのに、できないんですよ!
(2020年3月20日 「羽鳥モーニングショー」より)
新型コロナウイルスの急速な感染拡大をみれば、この夏の東京五輪の開催は難しいのではないかと私のような素人でも思うのに、このバッハ会長や安倍首相の「逃げのような」コメントは一体何なんだ。
「逃げ」のコメントはいつもの通り
(2020年3月20日 「羽鳥モーニングショー」より)
世界の有名アスリートの中にはこのバッハ会長の発言に批判的な者もいる。
なぜなら東京五輪の開催は4ケ月先かもしれないが、五輪に向けての選手たちの体の調整はすでに何年も前から始まっているのである。
それが欧州に蔓延している新型コロナウイルスはそれらの国々の選手の練習時間や練習場を奪ってしまっている。
今すぐにでも体の調整をしなければならないのにそれができないのである。
たとえ7月の東京五輪開催時点で、感染が日本で終息したとしてもそのほかの国ではどうなっているかはわからない。
7月の東京五輪開催に外国のメディアも批判
(2020年3月20日 「羽鳥モーニングショー」より)
感染者数がピークを迎えている国々もあるかもしれないし、ピークを過ぎていてもその後の経済活動の立て直しなどでオリンピックどころではない国もあろう。
それらの国から選手や観客が積極的に来日するとはとても思われない。
おそらく出場選手の健康を案じて出場を辞退する国々が多く出てくるだろう。
多くの国々が出場を辞退し、外国からの観客も期待できない状況になれば、それこそ無観客の単なる日本選手権に終わるかもしれない。
またそのような時期に開催を強行したIOCと組織委員会に各国の非難の声が集まるだろう。
いろいろなことを考えると、この東京五輪は中止か、延期が望ましいのにそのような言葉がバッハ会長や組織委員会からなぜ出てこないのか。
どうも、自らそのことを口にしたときの損得を勘定しているのではないかと思われるのである。
それは、アスリートや他国の組織委員会などの外部から中止や延期の声が次第に大きくなって無視できなくなる時期を待っているのではないか。
その声を理由にして中止や延期になったのであれば、自らが下した決断ではないから大きな責任を負わずに済むからね。
しかし、決断を先延ばしにすればするほどより甚大な被害を受けるのは目先の金にどん欲な五輪利権者ではない。世界のアスリートたちと、開催準備にかかわった現場の人たちであることを忘れてはなるまい。