政府が22日から始めた「GoToトラベル」は感染拡大防止に逆行!

 7月23日、新型コロナウイルスによる東京の感染者数が過去最多の300人以上になるとのニュースが入ってきた。

 

 新型コロナの感染拡大は危険な領域に差しかかってきたようである。

 

 私は前回、新型コロナ感染拡大防止と経済活動は相反する対応になると書いた。

 しかし政府は「GoToトラベル」キャンペーンを強行した。

 

 このことで無症状の感染者があちこちに出かけ、ウイルスをばらまくことになるだろう。

 

 なぜ「GoToトラベル」のキャンペーン開始を収束を確認したもっと先に延ばせなかったのか。

 

 感染拡大を防止しつつ、経済の活性も推し進めるという、そんな都合の良い策は考えられない。

 

 この2つ、すなわち感染拡大と経済活動がどちらも人間が策したものであるならばともかく、感染拡大防止は脅しも効かず、人間に忖度もしてくれないウイルスが相手である。

 

 それをあたかも机上で作成した2つのプランを、人間がコントロールできるような感覚で感染拡大防止と経済活動のどちらも推し進めるといったような識者の声を耳にすると、一体どのような策があるのか教えてほしい。


 「GoToトラベル」のキャンペーンを推し進める政府に迎合した単なる言葉の綾のような気がする。

 

 新型コロナの感染拡大を可能な限り抑制しようとしたら、経済に及ぼすマイナスの影響は防ぎきれない。

 

 しかし、それでも経済活動は私たちが生きている限り、そして健康である限り、全くゼロになるわけではない。経済回復のチャンスはあるのだ。

 

 政府は将来の経済活動を念頭に、今は新型コロナの感染拡大防止に100%力を注ぐべきである。

 

 それによって経済は一時的に大きな痛手を被るかもしれないが、それは新型コロナを撲滅するための避けられない代償である。

 

 二兎を追うもの一兎を得ず。

 

 感染拡大防止と経済活動のどちらにも同じように手を掛けることは、中途半端な結果しか得られず、結局は良い結果を得られないことになるだろう。

 

 現在の感染者は無症状の若者が多いが、高齢者や基礎疾患を持った者の感染者が増えてきたならば、いずれ医療崩壊が起きるであろう(もう医療崩壊が起きつつあるという専門家の意見もある)。

 

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     「東京の医療は逼迫していないという政府の見解は誤り」と

          東京都モニタリング会議のメンバーも語る

            (2020年7月23日 読売テレビ「ミヤネ屋」より)

 

 その時になって、あわてて実施した拙速な「GoToトラベル」を悔やんでも遅い。

 

 テレビでは連休に入って、観光地に出かける人たちを映し出している。

 こういう人たちを眺めて、私は不要不急の旅行と思うわけではない。

 しかし、よりによってなぜこのようなときに出かけるのか。万が一の時にはどうするのか。
 その時の気構えができているのだろうか。

 

 余計な心配かもしれない。

 

 しかし、思うのである。


 ここぞというときに、今一つの我慢ができない政治家、事業者そして辛抱ができない人たちを強く憂う。