富山生まれは採用しない!?

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富山生まれは採用しない!?
(7月14日 ABCテレビ「羽鳥モーニングショー」より)
 
 
 富山の機械メーカー「不二越」の本間博夫会長が「富山県民は閉鎖的」と発言したことが問題となっている。

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            (7月14日 ABCテレビ「羽鳥モーニングショー」より)
 
 これは5日に富山で開いた5月中間期の決算発表会見において、本間会長は「閉鎖的な考え方が強い富山生まれは極力採用しない」「富山で生まれ地方の大学に行ったとしても私は極力採らない。閉鎖的な考え方が強い」などと発言したのである。
 
 この発言は、「不二越」が東京と富山の2本社体制からこの8月に本社を東京に一本化するという、その理由の中で飛び出した。
 
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           (7月14日 ABCテレビ「羽鳥モーニングショー」より)
 
 私の在職時代にはあちこち出張する機会は多かったのでいろんな県民性に触れたが、その土地の風土に育まれた県民性は決して不愉快なものではなかった。
 むしろ自分には無い考え方や行動に触れて、私自身が勉強になったことが多かった。

 富山は古くから「富山の置き薬」ということでも有名である。

 我が家でも以前は「置き薬」を利用していて、数ヶ月に一度、富山の薬屋さんがわざわざ富山からやってきて、使用した薬を清算したり、新しい薬と取り替えてくれたことがあった。

 その薬屋さんは非常に物静かな方で、これをネガティブに捉えれば、暗い、閉鎖的というのかもしれないが、不快な感じを持ったことは無い。これが雪国富山の県民性だろうと納得できるものである。

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 「不二越」の富山本社には富山で生まれ育った社員も多く働いていることだろう。そういう人たちのお陰で今でも会社が健在だということを本間会長は忘れてはなるまい。
 
 県民性を細分化して評価すれば、良いところも悪いところもあるだろう。その細分化したうちの悪い部分だけをと取り上げて、だから「富山生まれは採用しない」と社の方針を掲げるのは極端な差別ではないだろうか。

 それはあのトランプ米大統領が発令した「入国制限」の発想とまるで同じである。