田原総一朗氏が安倍首相に提言したものは何か?


 ジャーナリストの田原総一朗氏は28日、首相官邸で安倍首相に面会し、食事をしながら「政治生命をかけた冒険をしないか」と持ちかけたこと明らかにした。

 安倍首相との話の内容について田原氏は「そのうち分かる」と明らかにしなかった。

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安倍首相との食後の後で、田原氏は具体的なことを話さず
(7月31日 ABCテレビ「羽鳥モーニングショー」より)

 私は、田原氏の提案したこの「冒険」について次の2つのことを考えた。


1.安倍首相の北朝鮮電撃訪問?

 このことを知って、すぐさま思い浮かべたのは、北朝鮮を電撃訪問して拉致被害者を連れ戻してくることではないかと思った。

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小泉総理大臣と訪朝した安倍官房長官(当時)
(7月31日 ABCテレビ「羽鳥モーニングショー」より)

 2002年に小泉首相北朝鮮を電撃訪問し、一部の拉致被害者を帰国させることに成功して支持率が急増したことを安倍首相が強く記憶にとどめていると思われる。それを推測した田原氏が、内閣の支持率アップに北朝鮮訪問というアイデアを出したのではないか。

 北朝鮮がつい最近ICBMを発射して緊迫しているときに、日本の首相の北朝鮮訪問などそんな状況ではないだろうと思われるが、可能性は全くゼロではない。

 他のメディアは、北朝鮮のミサイル開発問題と拉致問題の2つを挙げて安倍首相が北朝鮮を訪問するのではないかと推測しているが、ミサイル開発と核開発の問題は簡単ではない。

 今の安倍首相の力量では荷が重たかろう。

 そうすると「拉致被害者の帰国」が課題となるがこれも難題である。なぜなら今の情勢では北朝鮮を訪問すること自体が容易ではないからである。

 しかし、漏れ伝わる情報によれば、北朝鮮側が安倍首相の北朝鮮訪問を打診したという。この真偽は今のところ分からない。
 
 考えようでは、アメリカが北朝鮮に対して本気の武力攻撃を匂わせた今が安倍首相が訪問するチャンスかもしれない。

 拉致被害者の帰国問題を進展させ、あわせて北朝鮮に対して核やミサイルの開発を凍結させる話が行われたとしたら、内閣の支持率はアップすることはあれ、下がることはないだろう、と安倍首相は目論んだのではないか。

 今日(7月31日午前)、安倍首相はトランプ米大統領と電話会談をして「北朝鮮ICBM発射実験について更なる行動を取っていく」ことで一致したというが、これらはあくまでも表向きの発表かもしれない。

 もし安倍首相が上記のような理由で北朝鮮訪問を意識しているのなら、この電話会談でトランプ大統領に対して、事前にそれらしきことを匂わせたかも知れない。

 そしてさらに、もしこの時期に北朝鮮を訪問するとなれば、安倍首相はアメリカと北朝鮮の、二国の調停役としての性格を帯びた訪問として意味づけたいと画策するかもしれない。

 
2.加計学園獣医学部認可取り消し?

 もし北朝鮮訪問が田原氏が提案した冒険でないとしたら、他に考えられるものは「加計学園獣医学部設置認可の取り消し」がある。

 この認可が白紙に戻れば、野党が追及している加計問題は急速にその意味を無くしてしまう。

 しかし、問題はこんなことが「冒険」といえるかどうか、そういう意味では「ハズレ」かもしれない。

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野党も反対しない安倍首相の「冒険」とは?
 (7月31日 ABCテレビ「羽鳥モーニングショー」より)

  田原氏は安倍首相に提言した「冒険」について

 (1)民進党共産党も反対しない。

 (2)自民党が変わるとか、安倍さんが変わるとかではない。

 (3)今これを言ったらぶち壊れる。
    安倍さんが行動したら言ってもいい。

  と言っている。
 
 安倍首相にとっては、解散するにしても、憲法論議を推し進めるにしても、今は内閣支持率アップが緊急課題、それこそ国民の信頼を引き戻すような「政治生命をかけた冒険」というのが必要と考えたのだろう。

 しかしどんな行動を起こそうと、いったん失った信頼が元に戻るのは、政治の世界では容易でないことを安倍首相は知ることになるだろう。