森友学園問題~背任容疑の捜索はどうなっている?

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(7月31日 MBSテレビ「Nスタ」 より)

 森友学園の籠池前理事長とその妻が詐欺容疑で逮捕されたというニュースのテロップが流れたのは7月31日午後5時55分過ぎであった。

 局によっては午後5時前に速報を流したところもあったが、それは「逮捕へ」だとか「逮捕する方針」といった表現であった。

 すでに逮捕された籠池夫妻には「容疑者」という言葉が付くが、今ここでは従来の呼び方をする。

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画面に籠池夫妻を逮捕のテロップが流れる
それは大阪地検へ2回目の出頭をする直前の籠池前理事長が
心境を吐露している画面であった
(7月31日 MBSテレビ「Nスタ」 より)
 
 この日の午後、籠池夫妻は2度目の聴取のために大阪地検に向かったが、大阪地検の建物に入る二人の姿は前回と変わらぬようであった。

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             2度目の聴取で大阪地検に入る籠池前理事長と
                                              (7月31日 読売テレビ「ten」 より)

 籠池夫妻の逮捕のニュースを聞いて、ひょっとすると今後この二人の姿を見るのは当分先のことになるのではないかと思った。

 森友学園問題で籠池前理事長やその妻の捜索については、大阪地検特捜部はいやに熱心であるが、そもそも森友学園問題の核心は国有地が極端に安く売買されたのはなぜかという点にある。

 籠池前理事長らの補助金不正受給の疑いは国有地売買問題の解明の過程で出てきたもので、いわばこれは森友学園問題の核心ではない。

 国有地の極端な値引きによって国に損害を与えた背任容疑で告発を受理している大阪地検特捜部は、「値引きの経緯がはっきりしない」という理由で、近畿財務局や大阪航空局などに対しては捜索を控えているようにみえる。

 国有地が極端に安く払い下げられて国に損害を与えたという背任容疑の方が重大な問題なのに、特捜部の捜査は籠池夫妻の詐欺容疑ばかりにスポットが当てられて、財務省や近畿財務局などの背任容疑の捜索の進捗は遅々としているようだ。

 たとえ籠池夫妻に補助金の不正受給があったとしても、森友学園問題における国の対応を思い出すと、未だに納得できないのである。

 一方は詐欺容疑で逮捕され、いきなり「容疑者」呼ばわりされてしまうことに割り切れないものを感じるのは私だけであろうか。
 

 先月26日、森友問題で国有地が不当に安く売却された経緯について、近畿財務局と学園側との間で交わされた協議内容がメディアで流されたが、これによると国有地売却額について近畿財務局と籠池前理事長との間で交わされた具体的な数字が明らかになっている。この情報は近畿財務局で働く者の、NHKへの垂れ込みとも言われているが、真偽のほどは分からない。

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(7月31日 MBSテレビ「ちちんぷいぷい」 より)

 これほど具体的な数字が上がっているのに、特捜部が近畿財務局や大阪航空局の捜索は躊躇しているように思えるのはなぜか。

 まさか、安倍首相に忖度していると思いたくないが。

 こうしている間にもそれらの現場では重要なデータや書類の廃棄などが行われているかもしれないのに。

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(7月31日 読売テレビ「ten」より 抜粋)

 なにしろ財務省といえばデータの消去や書類の廃棄で栄転した方がいたんですから。