反安倍勢力は小異を捨てて大同に就け!


 28日午後零時数分過ぎ、衆議院は解散した。

 本来は審議を行うための国会の場であるのに、この日はただ解散のセレモニーだけを行うために集まった国会議員たち。その多くは自民党公明党の与党議員。もちろん「大義のない解散」と批判している民進党共産党などは欠席した。

 
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9月28日 MBSテレビ「ひるおび」より

 議長が「日本国憲法第7条により、衆議院を解散する」と読み上げたとたんに衆院議員は失職した。つまりただの人になったのである。

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9月28日 MBSテレビ「ひるおび」より

 解散は慶事なのか、与党議員からなぜか湧き上がる「バンザイ」の声がむなしく議場に響く。

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9月29日 ABCテレビ「羽鳥モーニングショー」より

 これらの与党議員のうち、何人が再びこの同じ席に座ることができるのか。それは誰にもわからない。

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9月28日 MBSテレビ「ひるおび」より

総理大臣の衆院解散の専権事項など憲法に明記されていない

 思えば突如として発表された衆院解散。これが総理大臣の専権事項だと与党はいうが、それが憲法第7条に明確に記されているわけではない。

 総理大臣の衆院解散は憲法違反だと訴えた過去の判例では裁判所は合憲だとも違憲だとも判断しなかった。

 そういうあやふやな状態で総理大臣による衆院解散が続いてきたのである。

 しかし今回ほど唐突な衆院解散は今までなかった。

 解散すれば当然総選挙となって国民の審判を仰ぐことになるが、今回は何を判断するのか。


教育の無償化などは選挙前のバラマキ行政

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 安倍首相が解散理由として「消費増税の使途を幼児教育の無償化などに広げる」ことについて国民の判断を仰ぎたい、と言うがそれはとってつけた理由に他ならない。

 少子高齢化は今に始まったことではなく、何年も前から分かっていることである。

 消費増税の使途である「国の借金返済分」を変更して、たとえ一部であっても教育無償化に回すことは高齢化が進行する中でますます今の子供たちの将来にツケを回すことになるのではないか。
 
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 選挙前になると突如として発表される安倍首相の消費増税に関する変更は2016年7月の参院選前にもあった。

 それは2017年4月に予定されていた10%の消費税を2年半先延ばしにすることであった。

 社会保障の充実や財政再建という目的で増税されるはずだったが、やはり悲しいかな人間は目先のことに敏いのであろう消費増税の延期を幸いと捉えてしまった。

 こうした選挙前の政策の変更は選挙結果が政権に有利となるようなバラマキ行政だと私には映るのである。

 今回の衆院解散にあたって安倍首相が消費増税の使途を教育無償化に回すことは、子供がいる家庭に対する一種のバラマキ行政ではないのかと疑ってしまう。

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 教育には金はかかるので少しでも負担が少ないほうが良い。教育無償化となれば子を持つ親にとって願ってもないことである。

 しかしそのために国の借金返済は滞り、そのツケは将来、教育無償化の恩恵を受けた子供らに回ってくるのだ。

 安倍首相は今回の解散を「国難突破解散」と称したが、「国難」とは一体何を指すのか。経済か、景気か、少子高齢化か、北朝鮮か、それとも自分の政権のことか。

 取ってつけたような解散理由の裏に党利党略だけの策略が透けて見える。
 
 今回の解散について、石破茂氏は民放のインタビューで「何のための解散かわからない」と自民党内からも苦言があった。

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 安倍首相が衆院解散を表明したのは25日であるが、その解散を表明する3時間前に小池都知事は新党「希望の党」を立ち上げたことを発表した。
 

 驚くことにその発表に合わせて新党「希望の党」の動画をユーチューブでも流したという。

 さらに「希望の党」などの名称も2月に商標登録を済ませていたというから驚きである。

 なんという手際の良さ。もしかしたら小池知事は新党立ち上げに時間がかかると自民党に見せかけていたのかもしれない。


安倍首相は解散時期を誤った!?

 野党の民進党山尾志桜里の不倫離党で混迷し、小池知事がかかわる新党も立ち上げに時間がかかると見込んだ安倍首相は、内閣支持率が幾分回復したこの時期を狙って衆院解散を決めたのであろうが、用意周到な小池知事のスピーディな新党立ち上げと、民進党前原誠司代表の「希望の党」合流は安倍首相にとって予想外のことであったに違いない、

 安倍首相は解散時期を誤ったのではないか。


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安倍首相は国民に対して誠実では無かった

 この数年間の安倍政権の国民に対する態度は決して誠実ではなかったと私は思う。

 それは先の国会で取り上げられた森友・加計問題で、あまりにも不誠実な政府の態度を何度も見せつけられて、確信した。

 安倍首相は野党の要望した閉会中審査の出席に応じたというが、森友・加計学園に対する疑惑は政府や役人の答弁で払しょくされることはなかった。
 
 国民の前で一向に真実を語らず、いくら「丁寧」「誠心誠意」などと言葉だけを並べても心に伝わってこないのである。


政治家は潔さを失うな

 過ちは人生のなかで一度や二度、だれにでもあるもの。
 
 しかし、動かぬ証拠を見せられても素直にその過ちを認めず、知らぬ存ぜぬと逃げ回る態度には吐き気を覚える。

 安倍首相や昭恵夫人が心酔しているという「教育勅語」には「潔さ」についてどう書かれているのだろうか。

 「潔さ」という言葉そのものは書かれていないかもしれないけれど、文章に流れるものは武士道でいう「潔さ」そのものである。

 特に政治家が日本という国を治めるために必要なものは何時いかなるときでも「潔さ」を失わないことであろうと思っている。


総選挙は「与党」対「希望の党」の構図

 今度の総選挙では、与党と新党の「希望の党」を含めた野党ががっぷり4つに組むことになるかもしれない。

 「希望の党」に対しては、原発ゼロはまだしも改憲自衛隊については自民党に近い政策だと思う人もいるだろう。

 民進党は事実上「希望の党」に合流するという。
 多少の曲折はあるだろうが、もう流れは決まった。


反安倍勢力は小異を捨てて・・・

 今回の選挙においては極端に言えば、一時的に「毒を以て毒を制す」るという考えで、反安倍勢力は暴走気味の安倍政権を放逐してもらいたいものだ。

 安倍政権で変質していく自民党をこの数年見てきた。

 はっきり言う、自民党は昔の自民党でなくなった。

 自分たちのお友達のためだけの政治を行うような政権はこの際退場願いたいものだ。


 安倍政権がこの総選挙で終局を迎えることを願っている。
 
 今こそ、反安倍勢力は小異を捨てて大同に就け、と言いたい。