この日の国会中継(4)~参議院の役割
参議院TVインターネット中継より
衆議院では自己陶酔型の質疑が結構多い。そのために質問時間を自分で縮め、本題の質問をしたときには時間切れとなる場面がよくある。
参議院ではそれがまったく無いとは言わないが、核心を突くような質問をする議員が多い。それもだらだらとした質疑ではなく、鋭い質問を1分もかけずにする。
簡潔明瞭な質問であればあるほど、それに対する各閣僚の答弁がお粗末に見えてくる。
参議院TVインターネット中継より
たとえば、子育てを旗印に掲げる政府が保育士の給料が安すぎることに対して具体的な政策をしていないことや、三世帯住宅の建設に国が補助金を出すことに対して本当に効果が得られるのか疑問に思うと述べていた。
一般会計の総額で過去最大の96兆7000億円という平成28年度の予算について、その配分に大きな疑問があるというのが蓮舫氏が言いたいことであるように思われた。
国家予算が新年度にまたがっても成立しないと国民のみならず国家にも大きな影響がある。
スケジュールどおり審議されて成立するのが政府与党の理想であろうが、問題は審議の内容である。
国会予算委員会ではまれに「この時間をやり過ごせば」と思っているような閣僚たちの顔を見ることがある。
私は与党であるとか野党であるとかということで色分けをしようと思わない。
2014年11月にこの世を去った俳優の菅原文太は日本の国会議員について「国会議員なんてくそくらえだ」と強烈な言葉を残している。
彼は遅々として進まぬ東日本大震災の復興に憤慨してこのような言葉を発したのだと思う。
こういうことを聞いたことがある。
「元気な者は放っていていい。弱った者を助けるべき」
元気な者、元気な会社は放っていても何かあった時、よほどのことが無い限りちゃんとした判断をする。だから他人が手助けをする必要はない。すぐに助けるべきは困窮した弱い者、弱い会社である。それが社会の底上げに繋がる。
過去最大の平成28年度予算は弱いところ、弱い人間に手を差し伸べるような予算配分になっているか。
景気が良くて財政が豊かなときは予算配分の優先順位にそう神経質になることは無いかもしれない。