政治家の演説~わが身にも起これトランプ効果!?
安倍首相(自民党総裁)は13日の党大会で「選挙のためなら何でもする・・・こんな勢力に負けるわけにはいかない」と述べたという。
このニュースを最初に耳にしたとき、安倍首相が「(自民党が勝つのだったら)選挙のためなら何でもする」と言ったのかと私は思った。
それは私の聞き間違いだったのだけれど。
そんなふうに理解してもいいほど、この時の安倍首相は気合が入っているように見えた。
熱弁をふるう安倍首相は身振り手振りも大きく、言葉の端々には変に力んだものが感じられた。
自党(これは自民党と言う意味ではない。自分の党という意味)の場だから強気に出ているのか、どうもそのあたりが気になった。
あの国会の答弁では「・・・でございます」などと慇懃無礼な言葉を駆使していた安倍首相である。
こういう光景を見ると、「どうだ、自分にはリーダーーシップがあるんだ」という姿を見せ付けられているようであまり面白くない。
さらに少しうがった見方をすれば、最近暴言で有名になったあのドナルド・ジョン・トランプ氏の雰囲気を醸し出そうとしているようにも思えるのである。
暴言で物議をかもし出しながら、その一方では根強い人気のトランプ氏。それを模倣しているかのように思える。
トランプ氏が共和党大会で大統領候補の指名を受けるのか、今のところわからない。
ただ彼の人気の一因はあの「暴言」にもあるということも事実である。
その部分だけを取り上げて、日本の政治家がマネしているようにも私には思えるのである。
暴言、失言はまずいけれど、少し乱暴に近い言葉を使ってわが身にもトランプ効果(人気)が生まれれば、という期待があるのかもしれない。
ただ、国政に携わる人物がトランプ氏のような暴言を吐けば、今度は口先だけでなく行動にも波及して、取り返しのつかない事態になることも十分考えられる。
乱暴な言葉を使えば人気が出る、、
その背景にあるものを十分に理解せずに形だけをマネしても国民の心を本当に揺さぶることはできないだろう。
現状に対する不満や恨みのある人が、トランプ氏支持という形で自分の意思を表現しているのかもしれないのだから。
ところで自身の存続、属する党の存続の場面になると張り切る政治家がいる。
「東日本大震災で被害に遭った人たちが元の生活に戻れるためならそれこそ何でもする」
こういうことを約束する政治家はいないのだろうか。
日本の政治家の演説を聴いて、今まで一度として感動することが無かったというのは、独立国家の民として恥ずべきことなのかもしれない。