いきなり証人喚問とは何を意味する~森友学園問題

 
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 安倍首相から100万円の寄付金をもらった、と16日に発言した森友学園の籠池理事長に対して、衆参の予算委員会は23日に証人喚問を行うことを決めた。

 今まで同氏に対する国会での参考人招致に反対していた自民党が、さらに厳しい証人喚問に応じたのはなぜか?

 籠池氏の発言は、安倍首相に対する侮辱だと自民党は言っているが、今まで野党が要請していた参考人招致でなく、一気に証人喚問になったのはなぜか?

 籠池氏の虚言と確信したのか? それとも100万円の寄付金について籠池氏にはその証拠を示すことができないと見込んでのことか?

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 虚偽の発言をすれば罰則のある証人喚問といえども、記憶にない、わからない、と言うことはできる。

 23日の証人喚問で籠池氏のとる態度は次の3ケースが予想されるだろう。

 1) 自分に不利なことも、政治家や官僚などに不利なこともすべて証言する

 2) 今回の寄付金のことを含め、政治家が関与したと思わせる自分の発言はすべてウソだったと証言する

 3) 肝心な点については「記憶にない」「覚えていない」などと逃げる

  私たち国民としては1)のケースを期待したいが、申請書類に複数の建設費が記入されたことなどや、くるくる変わる言動で国民の籠池氏に対する信頼性はかなり失われている。

 そういうことも踏まえて、自民党など政権側が期待するのは2)あるいは3)のケースだろう。

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 ここで注意すべきは、証人喚問の席で証言したことが必ずしも真実だとはいえないことである。
 
 証人喚問という場を設けると、そこでの証言が虚言であることを裏付けるしっかりした客観的な証拠があればともかく、それが無い場合の証言は、仮に虚偽だとしても真実としてみなされてしまう危険をはらんでいる。。

 過去の証人喚問では「記憶に無い」「忘れました」という発言が数多くあった。これらは証言拒否ではないので罪に問われない。

 本当に記憶に無いのか、覚えていないのか、真実は本人の心の中にだけある。国会の証人喚問といえど、他人が本人の心の中まで開いて見る事はできない。

 今までいろんなパフォーマンスを見せてくれた籠池氏のことである。
 証人喚問で「記憶に無い」「忘れました」と述べることは少ないだろう。
 積極的に話すかもしれないが、それが真実かどうかはまた別の話である。

 物的証拠が見つかればともかく、そうでない場合の証明ほど難しいものはない。

 証人喚問が開かれたが、その期待は不完全燃焼で終わるかもしれない。

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 「安倍首相からの寄付金」が事実かどうか、今のところ客観的な物的証拠が無いので肯定も否定もできない。

 安倍首相も夫人も寄付を否定している。そうなると籠池氏が客観的な証拠を出すことができるかにかかっている。

 今は当人たちの「記憶」に委ねられている。第三者が確認できない「記憶」に・・。

 そのことを逆に利用する輩もいるだろう事は容易に想像できる。

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どうか真実を!

 今のところ証人喚問の対象は籠池氏だけのようであるが、本当ならば森友学園問題に関係した財務省などの担当者に対しても証人喚問をするべきである。

 そしてそれは籠池氏の証人喚問の前にするべきである。

 自民党は今まで参考人招致を拒否していた。そして今度は急に証人喚問を行うと態度は豹変した。

 参考人招致に籠池氏を呼ぶという要請が野党からあったときに「国会に呼んだら何をしゃべるかわからない」という自民党議員の言葉が今も耳に残っている。

 その「何」が何なのかを私たちは知りたいのである。