このごろの安倍首相の答弁がおかしい
野党から問われた安倍首相の答弁を聞いていると、質疑と答弁に符丁が合わない部分がしばしばある。
これは故意に焦点をぼかして答弁しているのか、どうもそう思えない。
野党の質問の意味が分からず、何を答えてよいか迷いながら言葉を捜しているような感じである。
それをこの頃、良く感じる。
そして思う、こんな総理大臣で大丈夫か、と。
そういえば、5月3日に安倍首相は都内で開かれた民間の集会に、憲法改正についての実現に期限を切り、かつ九条に付け加える形で自衛隊を明記したい旨のビデオメッセージを寄せたが、このことは自民党内で今まで公式に論議されたことは一度も無かったという。
だからこのことについては自民党内でも異論がある。
最近の安倍首相はこのように唐突に行動を起こすことがしばしばある。
そしてそれは内容の軽重を問わないのである。それは非常に危険である。
今年入社の新入社員はこんな様子か、それとも・・・
安倍首相は第一次内閣のときはともかく、第二次の総理大臣に就いてから、よく次のようなことを言うのを耳にするようになった。
「総理大臣である私が・・・」「内閣の長としての私が・・・」「自民党の総裁としての私が・・・」等々。
あらためて本人が言わなくても、安倍首相がどんな地位にある人か、皆知っている。
それをわざわざ口にして言うことにどんな意図が隠されているのか。
おそらく自分の地位を今一度相手に知らしめ、上から目線で相手をいなす魂胆があるのだろう。
心理学的に見れば、こういう言葉は自己顕示欲の強い人間が良く使うともいわれる。
昨日(8日)の衆院予算委員会集中審議の答弁でも民進党の委員が、安部昭恵夫人と森友学園の間柄のことを「ずぶずぶの関係ではないか」という言葉を使ったことに対して、安倍首相は「ずぶずぶなどという言葉を使うから民進党は支持率が低いのだ」と発言した。
安倍首相は野党から鋭く追及されると、質問には答えなくて自民党の支持率を持ち出してきて、野党のふがいなさをあげつらう。
これは質問の本質から離れた答弁で、ただ単に相手を誹謗しているだけである。
安倍首相の国会答弁は、いかに自分が立派な大人の対応をしているかをとくとくと述べ、そして質問した委員に対して、まるで小学生を諭すようなことに等しい説教をしてくるのである。
こういう場面を見ると、質疑した委員をバカにしているとしか思えない。
さらに安倍首相は、「憲法問題に関して知りたければ〇〇新聞を読め」と特定の新聞の名を挙げる始末である。
これについては委員長から注意を受けたが、最近の安倍首相は国会という場を踏み外した発言がやたら多い。
野党の質問にまともに答えられないのである。
そのことに野党席から野次が飛ぶと「うるさくて答弁できない」「私が今答弁しているのですから静かに」などと神経質に気にして、答弁を中止するのである。
今までの国会中継で総理大臣のこんな答弁、言動はあまり知らない。
これが今の総理大臣の姿である。
次は「のり弁」ならぬ「のり答弁」について記してみたい。