「まあまあやね」では済まされない「こんな人たち」
ロザンは毎週この番組の中で「道案内しょッ!」というコーナーに出演しているが、大阪駅前で道に迷った人(特に外人さんが多い)を見つけて、ロザンが道案内をしながら話を聞くという設定だ。
YouTubeより
その中では特に相方の菅広文が口にするでたらめな英語の会話が面白い。
相手が学生ならば必ずその大学名を聞き、菅が宇治原に「〇〇大学やて?」と言うと宇治原は「まあまあやね」と答えるシーンは今では誰もが知っている場面である。
最初のときこそ京都大学出身の宇治原がそれを言うと、彼が高学歴を鼻にかけているように聞こえて不愉快だった。
慣れというものは恐ろしいもので、いつの間にかそれも気にならなくなった。まぁ関西特有の「笑い」で容認していることもあるかもしれない。
その宇治原がテレビ番組の中で、安倍首相の「こんな人たち」発言に対する批判に異議をとなえた。
それを聞いて「ああ、この人も高学歴者特有の思想に犯されているのかなあ」と思ったものである。
それは相手の学歴や職業や地位などに対して返す「まあまあやね」という言葉の中には、どこか相手を見下した、蔑みの感情が含んでいるように思えるからである。
そして「こんな人たち」という言葉もまた、自分たちは眼の前に集まった聴衆とは違うのだ、という蔑みの感情があるように思えるのだ。
安倍首相から「こんな人たち」と名指しされた者に対し、「選挙妨害の左翼発言家」とバッシングするフェイスブックに安倍首相は「いいね!」をしたそうだ。
また、安倍首相の街頭演説で「辞めろ」コールをした人たちを「共謀罪」で「逮捕すべし!」と求めたフェイスブックに対し、自民党の衆院議員は「いいね!」ボタンを押したという(現在は「いいね」を取り消している)。
「こんな人たち」発言をめぐって、小沢一郎氏はTwitter上で「自分に賛同する『お友達』だけがまともな国民で、加計学園とかで批判する人々は『こんなやつら』で国民扱いしないということになる」と厳しく指摘した。
さらに小沢氏は、菅官房長官などの政権幹部の発言にも言及し、「こんな偏った人間に総理である資格はない」と痛烈に批判している。
語弊があるとしたらご容赦願いたいが、あの小沢一郎でさえ安倍政権のやり方には大きな疑問を持っているのである。
7月7日 ABCテレビ「羽鳥モーニングショー」より
これらの苦言を無視してでも強引に推し進める安倍政権は一体どういう政治を目指しているのだろうか。
次に書くことは一笑に付されるかもしれない。しかし、安倍政権の今までの軌跡をみれば、当たらずとも遠からずのような気がする。
それは、安倍首相が独裁(こんな言葉を安倍首相が認めるはずはないが)というような政治形態を望んでいるのかもしれないということだ。
今、「こんな人たち」と言われても違和感を覚えないとしたら、それは安倍首相をはじめとした現在の政権の幹部たちではあるまいか。