公文書を改ざん、廃棄してもなぜ起訴しない大阪地検特捜部
国に損害を与える目的は無かったというのが不起訴の理由であるが、一時的にしろ明確な根拠もなく我々日本国民の財産ー国有地を8億円もの大幅な値引きで森友学園に売却したのである。
この時点で国に大きな損害を与えているのである。
その土地は今は国有地となっているが、それをもって国に損害を与えていないとすることはできない。
これでは盗んだ金を被害者に返せば罪に問われないことと同じである。
さらに、値引きの根拠になったゴミ処理費用についても大阪航空局が算定したというゴミの量が正しかったという根拠が今も示されていない。
そのゴミが当該の地中に存在し、それがすべて搬出されたという証拠も示されていない。
それを明らかにするのであれば、搬出した業者を明確にするか、あるいは今も地中に算定したというゴミがあるのか、当該地を掘削すればいい。
建てたばかりの建物があろうとなかろうと、真実究明をするには必要なことである。
また改ざん・廃棄されたという森友学園との交渉記録も、改ざん前の一部の文書が残っていることなどから特捜部は不起訴としたという。
一部の文書を残してさえいれば、公文書であろうと改ざん・廃棄しても証拠隠滅や公文書毀棄などの罪にならないのであろうか。
確かに「検察官は的確な証拠によって有罪判決が得られる高度の見込みのある場合に限って起訴する」とある。
今回の件では「有罪判決が得られる高度の見込み」がないのだろうか。
それは誰によって判断されたのだろうか。
検察官および検察庁は、「行政と司法との両性質を持つ機関」だという。
検察官、検察庁は行政の指揮下にあるというのである。
このような指揮命令系統であることは政権に対する「忖度」が働くことを
100%否定するものではないだろう。
大阪地検特捜部といえば、今から8年前に起きた障害者郵便制度悪用事件で、当時の担当主任検事が証拠物件のフロッピーディスクを改竄して、厚生労働省元局長の村木厚子氏を事件の主犯とする検察の作ったストーリに合わせていたという、いわゆる「大阪地検特捜部主任検事証拠改ざん事件」で有名なところである。
このように過去に大きな不祥事を起こした大阪地検特捜部は、今回の森友問題では正しい判断をしてくれるに違いないと思っていた。
それは現在、大阪地検特捜本部長である山本真千子氏の存在を知った時からである。
なぜなら山本氏は、官僚の間では日本で一番怖がられている存在であるといわれていたからである。
しかし、2015年に特捜本部長になった山本氏に森友問題の真相究明を期待することは大きかったが結果はご存知の通りである。
31日に異例の会見をした山本特捜本部長は、「国有地の売却に国会議員や官邸の関与が無かったのか」という記者団の問いに「具体的な捜査内容に関わることなので差し控える」とあいまいな返答をした。
大阪地検特捜部は国民の重大な関心を集めた森友問題の捜査に関わったものの、その荷が重かったのか、はたまた何らかの圧力があったのか、国民の期待を裏切る決定をしたものである。